今まで出一番多くある質問
「レコーディングエンジニアになる為には専門学校に行ったほうがいいですか?」
答えは 「行かないよりも行ったほうが良い」 ですが、その後にこう付け加えます。
「専門学校に行ってスタジオに入れる確率を見れば・・その時間とお金をかけるだけの価値があるか・・を自分で判断してください」
どうでしょうか?
例えばクラシックピアノを習いたいと思った場合に大きく分けて2つの選択筋があります。
1、プロのピアニストになりたい。
2、趣味でピアノが弾きたい。
同じピアノでもこの2つでは大きく異なります。
趣味でピアノを弾きたいのならば何歳からでもピアノ教室に通う意味はあります。
しかしプロのピアニストになりたい場合は高校卒業後でピアノ教室に通ってもプロになるのは現実的に厳しいと考えられます。
◆ではレコーディングエンジニア志望の場合はどうでしょうか?
ほぼ全員可能性は同じです。
楽器のように幼少期から学ぶなんて人はまずいないと思われます。
レコーディングエンジニアになる為には 専門学校に行く 又は 専門コースのある音楽大学に行く という選択筋があります。
しかしよく考えて下さい。
レコーディングエンジニアは医者や弁護士のように国家資格があるわけではなく、ミュージシャンと同じような不安定な職業です。
しかもまともな経験を積むにはそれなりの規模(知名度)があるレコーディングスタジオに入る必要がありますが、世間で言ういわゆる"就職"ではありません。
もちろん求人情報誌になんて掲載されない事の多い職種です。
という事は北海道から沖縄、バークリーまで数あるレコーディングエンジニア課がある学校に行ってもレコーディングスタジオに入れる保障は全くありません。
資格のように頑張ればだれでも取得できるというようなモノでもありません。
◆結論
首都圏以外に住んでいるエンジニア志望の人はまず、東京に出て来ないと話にならないのは事実です。東京にしか大きな規模のレコーディングスタジオが無いからです。
その口実として専門学校に行くのは親を説得するのにはいい材料かもしれません。
現実は専門学校に大きな意味は無いのが現状です。
機械やケーブルの巻き方などはリハーサルスタジオのバイトでも出来ますし、2年間で200万円近くの学費を考えれば非常にリスクの高い投資だと思えます。
まして地方の専門学校にいたっては・・・言うまでもないですね。
音楽業界は東京にしかありません(大阪にも少し・・ありますが)
学校卒業後に東京に出て行くのは・・厳しいですよ。
ちなみにここで私の経験を書きますが
私も例に漏れずに東京に出てくる為に専門学校に行きました(本当は音大に落ちたのですが)
誰もが知っているマンモス学校です。
2年生の春にSO●Y信濃町スタジオの試験を受けまして、見事合格。
研修生としてスタジオに試用で入ることになります。
この時点で2000人の中の4人です。
はっきり言うと試験と言っても一般教養や面接です。
(このSO●Y試験は自分の中の伝説となっているので今度詳しく紹介します。)
SO●Yでの研修生として勤務した後、某大手スタジオに移籍。
SO●Yは研修生止まりで不採用となったわけですが、最終的に本採用は1人でした。
その彼も2年後、レコーディングからマスタリングに異動となっています。
私の通っていた専門学校は1学年で150人ほどいましたがスタジオに入ったのが4名
私は学校外の就職活動でスタジオに入ったので実質3人です。
その他は良いケースでNHK音声部、ライブハウスPAです。
ほとんどは田舎に帰るかフリーターとなります。
何せ音楽系専門学校なんて資格も何もないですから・・。
最初に書いたように
レコーディングエンジニアになりたかったら
「専門学校に行かないよりも行ったほうが良い」
という事になりますが。
専門学校に行ったところで何にもならない場合が多い
という事になると・・いう暗いお話でした。
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