Mixdownはバランスに始まってバランスに終わる。

ミックスダウンという言葉を聴いて何をイメージするでしょうか?

「コンプレッサー」「イコライザー」「マキシマイザー」
以上の様な言葉をイメージした人は居ませんか?

その人はDTM経験者で自分でDAW等を扱っている人です。


コンプレッサーなどをイメージした人はまず先入観やいつものやり方をリセットする事から始めます。




いつもの自分のミックスダウンが最高に音が良い と思っている方は、こんなページを読んでいないでしょう。


上手くいかない理由は耳にあります。

厳密に言えば脳です。


耳の構造に個人差は少ないと思われます。
脳が必要な処理を覚えるか が耳が良いという事になります。


その名の通りミックスとは混ぜる事です。
決して音を弄くる事ではありません。


良いバランスの為にEQやコンプが存在します。
ですから良いバランスとは何かを知る必要があります。



私がレッスンで行っている方法を一つ挙げます。



まず2曲以上の素材を用意します。

●10分間で良いと思うバランスにフェーダーとPANのみを操作して完成させます。
●一度バウンスして保存します。
●次の曲も同じように10分でバランスをとります。
●同じようにバウンス保存。


また1曲目をゼロから10分でバランスをとります。

そして2曲目。


これを3回ほど繰り返して下さい。


最後に3回分バウンスした2MIXを聞き比べて下さい。
自分が思っているよりもバラバラの音質になっているはずです。


これで何がわかるかと言うと
「人間の耳はかなりいい加減」
という事。

自分の思う良いバランスの幅が非常に広い事を認識してください。


つまり自分がいつも思っている良いバランスという基準が曖昧だと言うことです。




これを10分ミックスと呼んでいますが
10分ミックスを繰り返して行う事で自分の癖や聞きにくい音程などがわかってきます。


実はこの10分ミックス。
プロのエンジニアは毎日のようにやっていた作業なんです。
今はDAWを立ち上げるとフェーダーやエフェクトが再現されていますがテープで作業をする事が当たり前だった2000年くらいまでは1日の初めはまずモニターバランスを作る事から始めます。
しかも録音前ですからスタジオに着いてアシスタントがマイクを立てている間にササッとバランスを取るのです。
このモニター用ミックスは実はエンジニアの耳の訓練になっていたはずです。


これをレッスンに取り入れています。


はっきり言います。

良いバランスが取れないエンジニアは絶対に良い仕上がりにはなりません。
フェーダーより先にコンプを弄るなんて持ってのほかです。


さあ10分ミックス やってみて下さい。




当サイト『レコーディング・エンジニア講座』に掲載されている記事、図形、写真、情報など無断転用はご遠慮ください。
著作権はサイト管理者またはその情報提供者に属します。

0 件のコメント :

コメントを投稿

soundhouse

サウンドハウス