最終面接に進んだ私を待っていたのは
「一般常識テスト」でした。
国語、英語、歴史などの簡単な問題が並んでいました。
高校でろくに勉強もしていない私はほぼ白紙で提出。
筆記試験の採点を待ってから最終面接が行われました。
面接官は4人くらいだったと思います。
1次面接はいかにも現場の人(エンジニアや営業部)だったのに対して
今回は全員年配のおじさん達が待ち構えていました。
すかさず質問が飛びます。
「現在の文部科学大臣は?」
「科学技術庁の長官の名前は?」
「日本経済連の役員3名を挙げて下さい」
・・・・・・・・えー私の答えは
「知りません」
それだけでした。
その答えに面接官は激怒。
「君ね!知りません知りませんって少しは考えようと思わないのか!」
「筆記試験だってほとんど解答してないじゃないか!どういうつもりかね!?」
私は答えました。
「知らない事を知らないと言う事が何故いけないのですか?」
「考えても知らないものは知りません。考えるフリをする事が良いのですか?」
「筆記試験も答えがわからないだけです。その代わり答えた箇所には自信があります」
「つまり、知らない事を知らない、答えが分かるものは答えるのに何の問題がありますか?」
かなり強い口調で言ったと思います。
そうです私は完全にキレていたのです。
「今回の質問にどんな意味があるのかわかりません。質問の理由を教えてください」
面接部屋は空気が凍りました・・。
「もういいよ・・君・・」
そんな感じで面接終了。
JR信濃町駅のホームで私は非常に後悔しました。
「やっちゃったな・・」
「終わった・・」
気持ちが高ぶると強く言う性格でしたので
意味のわからない理不尽な質問攻めに完璧にキレてしまいました。
後日郵便が届きました。
封筒を開けると書かれていた文字は
合格
え?
そうなの?何で?
理由はわかりませんが4人のうち1人くらいはおかしな奴を入れてみよう と
思ったのかも知れません。
今考えてもアレはないです。
私が今面接官なら絶対落としますね。
そんなこんなで私のスタジオ生活がスタートしたのです。
研修生として私を含めて4人が残りましたが、結果レコーディング部門では私と同じ学校の1人が残ったのみで3人は本採用にはなりませんでした。(採用になった彼も結局マスタリングへ移動になったそうです)
私はその後運良く別の大手スタジオに勤務する事になり、現在に至っています。
こういった重要な場面でも自分を偽らず、素直に疑問に思った事を伝えてみる潔さも若い時には必要なのかもしれません。
今からレコーディングスタジオに入ろうとしているみなさん。
この方法はお勧めしません。あまり参考にしないで下さい。
当サイト『レコーディング・エンジニア講座』に掲載されている記事、図形、写真、情報など無断転用はご遠慮ください。
著作権はサイト管理者またはその情報提供者に属します。
0 件のコメント :
コメントを投稿