コンプレッサーを歌の録音の時など掛けて録音する事を"掛け録り"と呼びます。
しかし疑問に感じた事はありませんか?
「何で録音する時にコンプレッサーを掛けるんだろう?」 と。
一言で言ってしまえば 習慣 です。
色々な意見があるでしょうが今の時代コンプを掛けどりする理由をはっきりと答えられるエンジニアがどの位いるでしょうか?
コンプ掛け録りの本来の理由は S/Nの改善 です。
その昔録音機器はアナログのテープレコーダーでした。
テープ録音の場合避けて通れないのがヒスノイズというノイズです。
あまり小さなレベルで録音をしてしまうと後でフェーダーでボリュームを上げたりコンプレッサーをかけた時にノイズも大きくなってしまいます。
ですので録音の時にコンプレッサーをかけてあまり小さなレベルでの録音を避けたというのが始まりです。
この時の一般的なノイズ対策工程がいつの間にか定番となり、習慣化したと思われます。
時代は変わって現在のDAWでの録音でもコンプを掛けます。
デジタルテープレコーダーのSONY PCM-3348までは16bitでしたが、今は24bitのビット深度があり、よほどの低いレベルでの録音で無い限り小音量による解像度やレコーダー残留ノイズを気にする必要はほとんどありません。
もちろんアナログハードでの色づけや後の作業の簡略化等の理由でコンプをかける必要はありますが、昔のようなノイズ対策の為、という理由は現在はほぼないと思ってよいでしょう。
しかし何となくコンプを掛けるエンジニアは非常に多いのが実状です。
それを見たり聞いたりしたミュージシャンや一般の人がコンプを掛け録りしているのが多いと思われます。
コンプの掛け録りは設定をミスったり入力レベルが適切でないと音割れやポンピングなどが起こった音が録音されてしまい後でどうにもならない事があります。
慣れない人が掛け録りする場合はメリットよりデメリットのほうが大きいと言えるでしょう。
今度試しに知り合いのエンジニアに聞いてみて下さい。
「録音する時にコンプレッサーを掛ける理由はなんですか?」 と
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