実際にあった怖い話 その3
夏も近いということで 私が経験した怖い話を紹介します。
私の勤務していたスタジオでは前日に故障したり調子が悪かった機材は翌日同じような使い方をして、どのような動作が出るか?本当に故障しているか?などをチェックしていたのですが
その日は前日に音が出なくなったというマイクを点検していました。
常連のある女性歌手Aのレコーディング中、歌入れの最中で音が切れてしまう、という症状が出たマイクを確認します。
ノイマンのU67でした。
電源や真空管は問題ないか?音が出るか?など私も含めたスタジオスタッフでひと通り確認をしたのですが音に問題はありませんでした。
ちょうど、その日は現場を担当してたアシスタント(女性Kちゃん)が空いていたので
「実際に問題が出た状態を再現してくれ」とお願いし、歌のセッティングを行いました。
歌も同じ曲をオケにあわせて実際に歌ってもらいました。
そのテストの最中 報告通りに音が途切れる症状が出たのです。
ぶちっと切れるというよりは
「バリバリ・・パリ ・・・パ・・」
のようにノイズっぽくなりながら消えていくような感じです。
しかしすぐに復活して音が正常に戻ります。
何度かテストしたのですがやはりたまにしか音が消えません。
しかし
私は気がついてしまったのです。
音が消えるのにはある"条件"がある事を・・。
テストで音が切れるのは1コーラスのサビ頭でした。
試しに2コーラスのサビを歌ってもらうと問題の症状は出ません。
そこで2サビの歌詞で1サビを歌ってもらいました。
ここでも問題は出ません。
私が気がついてしまった条件とは・・
1サビ冒頭の歌詞に
「あいしてる」 というところがあり、そこで毎回音が消えていたのです。
「そんな馬鹿な・・」とその場にいる全員が思っていたのですが
「じゃあさ、Kちゃん 愛してる って言ってみて」
とお願いをした後のことです。
「ええ(笑)・・そんなはず無いじゃん 、、あいし・・て・・ プチ」
「きゃー!!」
Kちゃんは怖くなってヘッドフォンを投げ捨てダッシュでブースから逃げてきました。
そうです、このマイクは 愛してる という言葉に反応して音が消えていたのです。
正確にはマイクを通して何かがメッセージを伝えようとしていたという事でしょうか・・。
愛してる と伝えたかったのか・・愛してる と言わせなくなかったのか・・・・
ここまで何者かの意思を感じる背筋が寒くなるような怪奇現象はその後経験していません。
あれは何だったのでしょうか・・・。
スタジオには色々なことが起こりますね。
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